爪水虫は、白癬菌という真菌(カビ)の一種が爪の中に感染して、爪の肥厚(ひこう)、変色、変形を起こす疾患です。
10人に1人が感染したことがあると言われるほど、よく見られる疾患です。爪だけに水虫を起こすケースは少なく、ほとんどがそもそも足や手が水虫を患っており、そこから爪へと感染します。
爪水虫は足に多いのですが、手指の爪に生じることもあります。いろいろなタイプがありますが、最も多いのが爪の先端部が白色から黄色に濁って、爪の下の角質部分が厚くもろくなり、全体として爪が厚くなるタイプ(遠位爪下型:えんいそうかがた)です。
そのほかに、爪の表面が白色になることもあり(表在型)、稀には爪の付け根に濁りが生じることもあります。
下記のような症状がある場合は、爪水虫が疑われますので、皮膚科を受診しましょう。
爪の中に白癬菌が棲みついているかどうかを確認する必要があります。検査にあたっては、爪の濁った部分を少しだけ削り取って、直接顕微鏡で観察します。
爪水虫の治療には、塗り薬や飲み薬(抗真菌薬)が使われます。飲み薬は血流にのって爪まで運ばれ、体の中から白癬菌に作用して死滅させます。
薬の服用期間は手の爪で3~6ヶ月、足の爪で6~10ヶ月ほどです。新しい爪に生え替わりながら、ゆっくりと治っていきます。
成人の爪白癬の罹患率はかなり高いようです。高齢者では、爪の肥厚や変形が起立・歩行障害、転倒事故の原因になることも指摘されていますし、重症になるとだんだんと治療が難しくなるため、なるべく早く治療を開始して治すよう、お勧めいたします。
本当です。多くの場合、治療には最低でも半年はかかります。治ったと思っても、なお1~2ヶ月は治療を続ける必要があるので、根気よく治療を続けることが肝心です。
爪水虫では、全ての爪が罹患することは通常はありませんので、黄色爪症候群と思われます。黄色爪症候群では爪の変化で始まることもありますが、その他に下腿から足背にかけての浮腫(むくみ)と胸水の貯留を認めるようになります。爪甲は分厚くなり、爪床部とは離れています。爪甲と側爪郭とは繋がっていません。そのために、爪甲は脱落しやすくなっています。中年以降に起こりやすい疾患と言われます。