水イボは、正式には伝染性軟属腫と言い、伝染性軟属腫ウイルスによる皮膚感染症です。
幼少児によく見られ、痒みを伴うことが少なくありません。
特に乾燥肌やアトピー性皮膚炎のある患者さんに多く見受けられます。その理由としては、乾燥肌やアトピー性皮膚炎があると、皮膚の「バリア機能」が低下するため、細かな傷からウイルスが入り込みやすいことと、痒みで引っ掻くことにより、爪先からうつってしまうことなどが考えられます。
専用のピンセットで一つずつ摘まみ、内容物を出す方法が一般的です。
ただし、強い痛みを伴いますので、この痛みを軽くする目的で麻酔のテープ(ペンレステープ)を使うこともあります。
プールでの感染はよく見られますが、プールの水から感染するというよりも、皮膚間の接触やビート板の共有が感染の原因となるようです。
水イボを放置しても、やがては自然に消退しますが、消退までに6ヶ月~5年かかります。また、経過観察中に患者さん本人の他の部位に感染したり、他者に感染する懸念があります。なかには、掻きむしってアトピー性皮膚炎が悪化したり、二次感染によるとびひを生じたりするケースもあることを考えると、水イボの摘除には痛みが伴うものの、数が少ないうちに摘除したほうが良いでしょう。