水虫は正式には白癬(はくせん)と呼ばれ、白癬菌(皮膚糸状菌)の感染で起こります。
水虫では、この白癬菌という真菌の一種が寄生して、手足の指の間や足の裏などの皮がめくれてきます。ジュクジュクとしたり、痒みが出てきたりもします。
診断にあたっては、顕微鏡を使って白癬菌がいるかどうかの検査を行います。
足白癬は趾間型、小水疱型、角質増殖型の3種類に分類されます。
足指の間の皮膚が白くふやけたようになり、痒くなるのが特徴です。水虫のなかで一番多く見られます。
冬は症状が治まりますが、夏になると悪化します。
また、じゅくじゅくした部分から細菌感染を起こすことがあり注意が必要です。
土踏まずや足の縁などに小さな水ぶくれが多発します。
これも夏季に悪化しがちで、強い痒みを伴います。
水ぶくれが破けると、皮が剥けます。
足の裏から縁にかけての広い範囲で皮膚が厚くなり、冬のほうが乾燥でひび割れ等を起こしやすくなります。
痒みを伴わないので「皮膚が厚くなっただけ」と勘違いし、水虫だと気づかないケースも少なくありません。
爪にできる水虫のことです。
痒みは伴いませんが、爪が黄白色に変色したり、分厚くなったりもします。
水虫の治療には一般に抗真菌薬が使われます。
抗真菌薬には塗り薬と飲み薬があり、爪白癬のような爪の中に薬の成分が届きにくい難治性のものでは内服薬を使うこともありますが、最近では塗り薬でも効果が出るようになりました。
外用薬の効果を発揮させるためには、とにかく薬をきちんと塗ることが大切です。
特に入浴後は皮膚の角層(皮膚の一番外側に位置し、外界と接する部分)がふやけており、薬が浸み込みやすいので、お風呂上がりに塗るのが効果的です。
また白癬菌を逃さないためにも、患部を中心に広めに塗ります。
さらに、患部の清潔、乾燥を心がけることも大切です。
角層の表面を清潔に保つことは、白癬菌の新たな進入を防止し、水虫の悪化を防ぎます。
また症状が消えても、最低1ヶ月は根気よく治療を続ける必要があります。
自分で勝手に治ったと思い込んだりせず、必ず医師に判断してもらいましょう。
内服薬は3~6ヶ月の服用が必要となり、経過を見ながら医師が効果を判断します。
内服薬は時に肝機能障害や貧血などの副作用を招くことがあるため、血液検査で副作用をチェックしながら治療を進めます。
一番多く見られる足の水虫の場合ですと、家庭内の足ふきマットやスリッパなどを長い間家族で共用していて、それらに付着した白癬菌が足に感染して発症するケースが多いです。
その他、不特定多数の人が裸足になるような場所でも感染することがあります。
誰にでも足白癬はうつる可能性があります。
家族内に水虫の人がいる場合は注意が必要です。
白癬菌が長い時間にわたって足に付着していないと水虫にはなりませんので、小さいお子さんでは、長時間靴下や靴を履く機会が少ないため、足白癬になることは少ないのですが、毎日きちんと足を洗うことが予防につながります。