ニキビ(尋常性ざ瘡)の直接的な原因は、皮脂(皮膚のあぶら)の過剰な分泌と毛穴の詰まりです。
ホルモンやストレスなどの影響により過剰に分泌された皮脂が毛穴に溜まり、面皰(めんぽう)という状態になります。
この毛穴に溜まった皮脂を栄養源にして、ニキビの元となるアクネ菌は増殖していき、赤みや膿などの症状を招きます。
大人のニキビは、乾燥肌、ホルモンバランスの乱れ、不規則な生活、睡眠不足、紫外線、ストレスなど、様々な要因が複雑に絡み合ってできることが多く、治りにくいのが特徴です。
ニキビはよく“青春のシンボル”などと言われますが、医学的には尋常性ざ瘡というれっきとした皮膚疾患です。
ニキビができると気分的にもすぐれず、日常生活に影響してきます。
また、ニキビのケアが不十分だと「ニキビ痕」(色素沈着やクレーターなど)が残ってしまうこともあります。
ニキビ痕が残って後悔しないためにも、ニキビ症状が現れたら放置せずに皮膚科でご相談なさるよう、お勧めいたします。
ニキビの治療にあたっては、ニキビの種類と重症度を判断し、外用薬(毛穴のつまりを取り除く薬、抗生物質など)、内服薬(抗生物質、ビタミン剤、漢方薬など)、ケミカルピーリング、面皰圧出(針で患部に穴を開けて出口をつくり、毛穴に溜まっている皮脂を押し出す方法)等のなかから選択します。
適切なスキンケアや生活習慣の改善も大切です。
ニキビの症状は落ち着くまでに1ヶ月から3ヶ月と少し時間がかかりますので、根気よく治療を続けていくことが大切です。
よくありません。ニキビは毛穴に皮脂が溜まっている状態ですので、膿を押し出しても、皮脂が残っていれば炎症は治まりません。
皮膚科では、針で皮脂の出口を作り、中心に穴が開いた専用の道具でニキビの周囲を圧して、皮脂を押し出します。
中途半端にニキビを押すことで、かえって炎症が悪化してしまうこともありますので、自分で潰すのはやめましょう。
よくチョコレートやケーキ、ピーナッツなどが良くないように言われますが、こうした食べ物とニキビの因果関係はまだわかっていません。
一方で、特定の食べ物をとるとニキビがよくなるということもありません。
ただし、チョコレートを食べるとニキビが悪化するとういう人は、チョコレートを控えるようにしてください。
思春期にある方は成長期にあるわけですから、やたらと制限することなく、とにかく栄養バランスの良い食事を摂るように心がけてください。